なぜ「データの置き場所」を真剣に考えたのか
図面、見積の記録、お客様とのやり取り——これらは会社の財産です。そして財産である以上、2つのことを同時に満たす必要があります。
- 失わないこと・漏らさないこと(安全)
- 必要なときに、どこからでも使えること(便利)
この2つは、普通はぶつかります。パソコン1台に保存すれば手軽ですが、その1台が壊れたら終わりです。かといって「どこからでも見られる」を優先して安易に外部へ置くと、今度は情報漏えいの心配が出てきます。
当社は事務所と工場が離れています。「あの図面は事務所のパソコンの中」「あの写真は工場のパソコン」——創業前からこの分断が目に見えていたので、最初に手を打つことにしました。

データは「会社専用の保管庫」に一元化
まず、社内にデータ専用のサーバー(会社専用の保管庫となるコンピューター)を構築しました。図面も書類も写真も、保存先はこの1か所です。
- 保管庫のデータは自動で毎日バックアップされます。機械の故障や誤操作があっても、前日の状態に戻せます
- 外部のサービスに社外秘のデータを預けるのではなく、自社の管理下に置いています
「どこに保存したっけ?」と探す時間がなくなり、「消えたらどうしよう」という不安も仕組みで解消しました。
事務所と工場を「安全な専用トンネル」でつなぐ
次に、その保管庫を事務所からも工場からも同じように使えるようにしました。使ったのは、**拠点同士を安全につなぐ通信の仕組み(Tailscale)**です。
イメージとしては、事務所と工場のあいだに会社専用のトンネルが通っている状態です。
- トンネルの中を通る情報は暗号化されていて、外から覗くことはできません
- トンネルの入口は当社の機器だけに開かれていて、インターネット上の誰かが入ってくることはできません
- 専用回線の工事は不要で、すぐに導入できます

この結果、工場の作業台でノートパソコンを開いても、事務所の机と全く同じ環境で仕事ができます。工場で採寸してその場で図面を確認し、事務所に戻らず見積の準備を始める——場所の移動が仕事の中断にならなくなりました。
まとめ
- データは社内の保管庫に一元化し、毎日自動でバックアップ
- 事務所と工場は暗号化された専用の通信でつなぎ、どこでも同じ環境で仕事
- 外部には公開しない「閉じた」構成で、便利さと安全を両立
お客様からお預かりする図面や情報を安全に扱うことは、製作の品質と同じくらい大切な責任だと考えています。見えない部分ですが、こうした土台があるからこそ、安心してデータでのやり取り(DXF/PDFの図面など)をお受けできます。